清水きよし「幻の蝶」30周年(11/1)

今年は「幻の蝶」初演から数えて30周年ということで、梅若能楽学院にて2日間の公演でした。私は11月1日の方へ行きました。


「幻の蝶」

風船売り
手品師
ペンキ屋
たばこ


つり(釣りの意味)
秋の日の想い出
いのち
幻の蝶

アンコール「翼」

休憩15分をはさんで、2時間15分程度の公演時間。

音楽はギターの生演奏。
11弦ギターの辻幹雄さん。
能楽堂の時はいつも辻さんの演奏で演じておられるそうです。音がやさしいのでとてもよく合います。(ギター以外ではピアノやフルートの伴奏でも演じられます。いずれの演奏も清水さんのマイムにふさわしい、穏やかな演奏です。)


「手品師」、「ペンキ屋」は爆笑ストーリーで、笑いの渦です。

「つり」は、たくさん笑っておられましたが、実はシュールなこわい話なんですよねえ。


今回は私はあまり笑いもせず、泣きもせずでした。冷静にしっかり見ておかないと!!という思いがありました。でも、そんなに何をしっかり見たのかは、定かではありませんでした。でも、何度も(といっても、能楽堂では3回目、他の場所で演目のいくつかの抜粋を何度か見ましたが。)見ると少しずつ何か、清水さんの伝えたいことを受け取っていくような気がします。

でも、実は受け取るのは私が思うことであり、本当の清水さんの思いはまた別のことかもしれないのですが。清水さんはこちらがどう解釈しようとかまわないという姿勢なので、どういう思いで作品を作られたかは、全然話されません。


「いのち」はいつもボロボロに泣き崩れるのですが、今年は「あ、そうだったのか…」と落ち着きました。老人があまりにも老人らしいし、亡くなった後の老人があまりにも若く美しいので、なぜ私がそう思うのかのヒントを探していました。ライトが急に明るくなるのかなと思ったりもしましたが、全くそういう外的な変化はありませんでした。清水さん自らが光っていきます。以前に見た時にも亡くなった後の老人の顔も舞台そのものも真っ白、透明な光が見えたのでとっても不思議だったのでした。その光は私が頭の中に作っていたのかもしれません。

マイムの舞台は時々あとで振り返っても、本当に効果音が入っていたのか、本当は何も音がしなかったのか、区別がつかないことがよくあります。私が見たり聞いたりしているつもりでイメージを作っているからなんでしょうねえ。

ちいさい子は時々こんな質問をします。
「あのね、ほんとうはふうせんはないんだよね?」って。

見えてしまうと、それが実物なのか空想なのか、わからないですもんね。私もそんな気持ちで、ライトが明るくなるのかなあと一生懸命舞台を見つめていました。


「幻の蝶」が一番難しいかもしれません。あ、マイムを初めて見る人にとっては「たばこ」も難しいみたいです。思い出として時間が過去に戻っていくところが、わからない場合もあるようです。「幻の蝶」は私は清水さんの一番の思いが綴られているような気がしています。これからももっともっと幻の蝶を追い求めていってくださいね!!


あ、そうそう。
「手品師」ではストーリー中に観客を舞台に呼ぶ場面があるのですが、今までは一度も本当にお客さんが上がって行かれるのを見たことがなかったのですが、この日、初めて舞台に上がろうとされた人がおられ、身振りで清水さんは「いや、どうぞお席へ」みたいに伝えておられました。以前アメリカで本当に上がって来られて大変だったことがあったのですよ~と話されてたのは聞きましたが、それを目撃した瞬間でした。私は清水さんの目線を実際のお客さんよりはずしておられるから大丈夫かなと思っていたのですが、思いこんでしまうと自分を呼んでおられると思ってしまうのでしょうねえ。なんとか席に座ってくださってよかったです~。


この8つの演目を30年間演じ続けておられるというのは、ほんとに、ほんとにすごいことだと思います。30年間で120回+抜粋バージョンはあちこちで演じられますしね。同じことをやり続けることにより、どんどん洗練されていくと思います。観客の方々も何度も何度もご覧になっています。いつも新しいことを追いかけるよりすごいことだと思います。清水さんも全然飽きてないし、毎回全力ですし、毎回新しい発見があるそうですし。私も終わった瞬間にもう、「また見たい!」と思いました。

また関西へ来てくださるのを待っています!

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